Vue.jsのライフサイクルフック: createdとmountedの理解

Vue.jsのライフサイクルフックとは

Vue.jsのライフサイクルフックは、Vue.jsのインスタンスが作成され、マウントされ、更新され、破棄される過程で特定のステージで実行される一連の関数です。これらのフックは、Vue.jsアプリケーションの特定のタイミングでカスタムロジックを追加するためのものです。

Vue.jsのライフサイクルは以下のステージから構成されています：

1. Creation (作成): Vue.jsインスタンスが作成され、初期化されます。データの観察、計算プロパティ、メソッド、ウォッチャーなどが設定されます。このステージには beforeCreate と created の2つのライフサイクルフックがあります。

2. Mounting (マウント): Vue.jsインスタンスがDOMに追加されます。このステージには beforeMount と mounted の2つのライフサイクルフックがあります。

3. Updating (更新): リアクティブな依存関係に変更があると、Vue.jsインスタンスが再描画されます。このステージには beforeUpdate と updated の2つのライフサイクルフックがあります。

4. Destruction (破棄): Vue.jsインスタンスが破棄されます。このステージには beforeDestroy と destroyed の2つのライフサイクルフックがあります。

これらのライフサイクルフックを理解し、適切に使用することで、Vue.jsアプリケーションの動作をより細かく制御することができます。次のセクションでは、createdとmountedの違いについて詳しく説明します。

createdとmountedの違い

Vue.jsのライフサイクルフックの中で、createdとmountedは非常に重要なステージを表しています。これらの違いを理解することは、Vue.jsアプリケーションの動作を理解する上で重要です。

created

createdフックは、Vue.jsインスタンスが作成された直後に呼び出されます。この時点では、インスタンスのデータが初期化され、メソッド、計算プロパティ、ウォッチャーが設定されています。しかし、テンプレートや仮想DOMはまだマウントされていません。したがって、createdフック内でDOMを直接操作することはできません。

mounted

一方、mountedフックは、Vue.jsインスタンスがDOMにマウントされた直後に呼び出されます。この時点では、テンプレートがレンダリングされ、仮想DOMが実際のDOMに置き換えられています。したがって、mountedフック内ではDOM要素に直接アクセスし、それらを操作することが可能です。

まとめ

簡単に言えば、createdはVue.jsインスタンスが作成された直後に発生し、データやメソッドにアクセスできますが、DOMにはアクセスできません。一方、mountedはDOMが利用可能になったときに発生します。これらの違いを理解することで、Vue.jsアプリケーションのライフサイクルをより効果的に管理することができます。次のセクションでは、これらのライフサイクルフックの具体的な利用例について説明します。

ライフサイクルフックの利用例

Vue.jsのライフサイクルフックは、アプリケーションの特定のタイミングでカスタムロジックを追加するためのものです。以下に、createdとmountedフックの具体的な利用例を示します。

createdフックの利用例

createdフックは、Vue.jsインスタンスが作成された直後に呼び出されます。このフックは、データの初期化やAPIからのデータの取得など、DOMの操作が不要な処理に適しています。

new Vue({
  data: {
    message: null
  },
  created: function() {
    // APIからデータを取得
    fetch('https://api.example.com')
      .then(response => response.json())
      .then(data => {
        this.message = data.message;
      });
  }
});

mountedフックの利用例

mountedフックは、Vue.jsインスタンスがDOMにマウントされた直後に呼び出されます。このフックは、DOM要素に直接アクセスする必要がある処理に適しています。

new Vue({
  mounted: function() {
    // マウントされた要素に直接アクセス
    this.$el.textContent = 'Hello, Vue!';
  }
});

これらのライフサイクルフックを適切に使用することで、Vue.jsアプリケーションの動作をより細かく制御することができます。次のセクションでは、Vue.jsのバージョンによるこれらのフックの違いについて説明します。

Vue.jsのバージョンによる違い

Vue.jsのバージョンによって、ライフサイクルフックの動作や利用可能なフックが異なる場合があります。ここでは、主にVue.js 2とVue.js 3の間での主な違いについて説明します。

Vue.js 2

Vue.js 2では、上記で説明した8つのライフサイクルフック（beforeCreate、created、beforeMount、mounted、beforeUpdate、updated、beforeDestroy、destroyed）が利用可能です。これらのフックは、Vue.jsインスタンスの特定のライフサイクルステージで実行される関数で、カスタムロジックを追加するために使用します。

Vue.js 3

Vue.js 3では、ライフサイクルフックは基本的にVue.js 2と同じですが、beforeDestroyとdestroyedがbeforeUnmountとunmountedに名前が変更されています。これは、Vue.js 3のComposition APIの導入に伴う変更で、より直感的な名前付けになっています。

また、Vue.js 3では新たにrenderTrackedとrenderTriggeredという2つのデバッグフックが追加されています。これらのフックは、レンダリングプロセスをデバッグするために使用されます。

これらの違いを理解することで、Vue.jsのバージョンに応じて適切なライフサイクルフックを使用することができます。次のセクションでは、これらの知識をまとめて、Vue.jsのライフサイクルフックの全体像を把握します。

まとめ

Vue.jsのライフサイクルフックは、Vue.jsアプリケーションの特定のタイミングでカスタムロジックを追加するためのものです。createdとmountedはその中でも重要なフックで、それぞれVue.jsインスタンスが作成された直後とDOMにマウントされた直後に呼び出されます。

createdフックはデータの初期化やAPIからのデータ取得など、DOMの操作が不要な処理に適しています。一方、mountedフックはDOM要素に直接アクセスする必要がある処理に適しています。

また、Vue.jsのバージョンによっては、利用可能なフックやその動作が異なる場合があります。Vue.js 2とVue.js 3では、beforeDestroyとdestroyedがbeforeUnmountとunmountedに名前が変更されています。また、Vue.js 3では新たにrenderTrackedとrenderTriggeredというデバッグフックが追加されています。

これらのライフサイクルフックを理解し、適切に使用することで、Vue.jsアプリケーションの動作をより細かく制御し、効果的な開発を行うことができます。この記事が、Vue.jsのライフサイクルフックの理解に役立つことを願っています。それでは、Happy coding! 🚀