Vue.jsのライフサイクルフック: created, mounted, computedの理解

Vue.jsのライフサイクルフックとは

Vue.jsのライフサイクルフックは、Vue.jsのインスタンスが作成され、マウントされ、更新され、破棄される際に特定のステージで実行されるメソッドのことを指します。これらのフックは、Vue.jsアプリケーションの動作をカスタマイズするための重要な部分です。

以下に、主なライフサイクルフックをいくつか紹介します：

• created: Vue.jsインスタンスが作成された直後に呼び出されます。この段階では、インスタンスはDOMにマウントされていませんが、データが初期化され、メソッド、計算プロパティ、ウォッチャが利用可能です。

• mounted: Vue.jsインスタンスがDOMにマウントされた直後に呼び出されます。この段階では、テンプレートがレンダリングされ、DOMに置き換えられます。

• updated: データが変更され、DOMが再レンダリングされた後に呼び出されます。

• destroyed: Vue.jsインスタンスが破棄される前に呼び出されます。この段階では、インスタンスはまだ完全に機能しますが、すぐに破棄されます。

これらのライフサイクルフックを理解し、適切に使用することで、Vue.jsアプリケーションの動作をより細かく制御することができます。次のセクションでは、created、mounted、およびcomputedプロパティの具体的な役割と使い方について詳しく説明します。

createdとmountedの違い

Vue.jsのライフサイクルフックには、createdとmountedという二つの重要なフックがあります。これらはVue.jsインスタンスの異なるライフサイクルステージで実行され、それぞれ異なる目的と用途があります。

createdフック

createdフックは、Vue.jsインスタンスが作成された直後に呼び出されます。この段階では、インスタンスはまだDOMにマウントされていませんが、データが初期化され、メソッド、計算プロパティ、ウォッチャが利用可能です。したがって、createdフックは、データの初期化やAPIからのデータの取得など、DOMの操作が不要な初期設定に最適です。

mountedフック

一方、mountedフックは、Vue.jsインスタンスがDOMにマウントされた直後に呼び出されます。この段階では、テンプレートがレンダリングされ、DOMに置き換えられます。したがって、mountedフックは、DOM要素にアクセスする必要がある初期設定に最適です。例えば、DOM要素を直接操作するためのjQueryプラグインを初期化する場合などです。

これらの違いを理解することで、Vue.jsのライフサイクルフックをより効果的に使用することができます。次のセクションでは、computedプロパティの役割と使い方について詳しく説明します。

computedプロパティの役割

Vue.jsのcomputedプロパティは、他の値に依存する値を計算するための特別なプロパティです。これらのプロパティは、依存関係が変更されると自動的に再計算されます。

computedプロパティは、以下のような場合に特に有用です：

• 複数のデータプロパティを組み合わせて新しい値を生成する場合
• 計算に時間がかかる操作をキャッシュしたい場合

例えば、firstNameとlastNameという二つのデータプロパティがあり、それらを組み合わせてフルネームを表示したい場合、computedプロパティを使用することができます。

computed: {
  fullName: function () {
    return this.firstName + ' ' + this.lastName;
  }
}

このfullNameプロパティは、firstNameまたはlastNameが変更されると自動的に再計算されます。

また、computedプロパティは、値をキャッシュするため、同じ結果を何度も再計算する必要がない場合にパフォーマンスを向上させることができます。

これらの特性により、computedプロパティはVue.jsアプリケーションの中で非常に重要な役割を果たします。次のセクションでは、これらのライフサイクルフックとcomputedプロパティを実際のコードでどのように使用するかについて詳しく説明します。

実例で見る: created, mounted, computedの使い方

Vue.jsのライフサイクルフックとcomputedプロパティの使い方を理解するために、具体的なコード例を見てみましょう。

以下に、created、mounted、およびcomputedプロパティを使用したVue.jsコンポーネントの例を示します。

new Vue({
  el: '#app',
  data: {
    firstName: 'Taro',
    lastName: 'Yamada',
    message: ''
  },
  created: function () {
    // createdフックでは、データとメソッドが利用可能です。
    this.message = 'createdフックが実行されました。';
    console.log(this.message);
  },
  mounted: function () {
    // mountedフックでは、DOM要素にアクセスできます。
    this.message = 'mountedフックが実行されました。';
    console.log(this.message);
  },
  computed: {
    // computedプロパティでは、他のデータプロパティに依存する値を計算できます。
    fullName: function () {
      return this.firstName + ' ' + this.lastName;
    }
  }
});

このコードでは、createdフックでメッセージを設定し、mountedフックでメッセージを更新しています。また、computedプロパティfullNameは、firstNameとlastNameを組み合わせてフルネームを計算しています。

これらのライフサイクルフックとcomputedプロパティを適切に使用することで、Vue.jsアプリケーションの動作をより細かく制御し、効率的にコードを書くことができます。これらの概念を理解し、自分のプロジェクトに適用してみてください。それでは、Happy coding! 🚀