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Vue3でHello World: Vue.jsの基本的な使い方

Vue3でHello World: Vue.jsの基本的な使い方

Vue3とは何か

Vue.js 3.0、通称Vue3は、人気のあるJavaScriptフレームワークであるVue.jsの最新バージョンです。Vue3は、Vue.jsの基本的な概念を維持しつつ、いくつかの重要な改善と新機能を導入しています。

  1. パフォーマンスの向上: Vue3は、Vue2に比べてパフォーマンスが大幅に向上しています。これは、Vue3が新しい仮想DOM実装を採用し、コンパイラの最適化を改善した結果です。

  2. Composition API: Vue3では、新しいComposition APIが導入されました。これは、Vueコンポーネントの再利用と組織化をより簡単にするためのものです。

  3. TypeScriptのサポート: Vue3は、TypeScriptとの統合を強化しています。これにより、TypeScriptを使用する開発者は、より良い型安全性とエディタのサポートを享受できます。

  4. カスタムレンダラAPI: Vue3では、カスタムレンダラAPIが導入されました。これにより、開発者は自分のレンダラを作成することが可能になりました。

これらの新機能と改善により、Vue3は、よりパワフルで、柔軟性があり、効率的なフレームワークとなっています。これにより、開発者は、より高度なWebアプリケーションを効率的に構築することが可能になりました。

Vue3での開発環境の設定

Vue3の開発環境を設定するためには、以下の手順を実行します。

  1. Node.jsとnpmのインストール: Vue.jsはJavaScriptフレームワークであるため、Node.jsとnpmが必要です。これらは、公式Node.jsウェブサイトからダウンロードしてインストールできます。

  2. Vue CLIのインストール: Vue CLIは、Vue.jsプロジェクトの作成と管理を簡単にするコマンドラインツールです。npmを使用してグローバルにインストールできます。ターミナルで以下のコマンドを実行します。

npm install -g @vue/cli
  1. Vue3プロジェクトの作成: Vue CLIを使用して新しいVue3プロジェクトを作成します。以下のコマンドをターミナルで実行します。
vue create hello-world

プロジェクト名は任意です。この例では、プロジェクト名としてhello-worldを使用しています。プロジェクトの作成中に、Vue CLIはいくつかの設定オプションを提供します。Vue3を使用するように指定することができます。

  1. プロジェクトの実行: 作成したプロジェクトは、以下のコマンドで実行できます。
cd hello-world
npm run serve

これらの手順により、Vue3の開発環境が設定されます。これで、Vue3での開発を始めることができます。次のセクションでは、Vue3でのHello Worldプロジェクトの作成について説明します。.

Hello Worldプロジェクトの作成

Vue3でのHello Worldプロジェクトの作成は、以下の手順で行います。

  1. 新しいコンポーネントの作成: src/componentsディレクトリに新しいコンポーネントを作成します。この例では、HelloWorld.vueという名前のファイルを作成します。
<template>
  <div class="hello">
    <h1>{{ message }}</h1>
  </div>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      message: 'Hello World!'
    }
  }
}
</script>

<style scoped>
.hello {
  text-align: center;
  margin-top: 60px;
}
</style>

このコードは、メッセージを表示するシンプルなVueコンポーネントを作成します。messageは、コンポーネントのデータオブジェクトに定義されています。

  1. コンポーネントのインポートと使用: 次に、作成したコンポーネントをApp.vueファイルにインポートし、使用します。
<template>
  <div id="app">
    <HelloWorld/>
  </div>
</template>

<script>
import HelloWorld from './components/HelloWorld.vue'

export default {
  components: {
    HelloWorld
  }
}
</script>

これで、Vue3でのHello Worldプロジェクトの作成が完了しました。ブラウザでhttp://localhost:8080にアクセスすると、作成したHello Worldメッセージを表示することができます。.

Vue3の基本的な構文とその使用方法

Vue3では、いくつかの基本的な構文があります。これらの構文を理解することで、Vue3での開発がより簡単になります。

  1. テンプレート構文: Vue.jsは、HTMLベースのテンプレート構文を使用して、DOMにデータを宣言的にレンダリングします。テンプレートは、Vueインスタンスのデータとメソッドに直接アクセスできます。
<template>
  <div>{{ message }}</div>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      message: 'Hello World!'
    }
  }
}
</script>
  1. ディレクティブ: Vue.jsのテンプレートは、特別な属性である「ディレクティブ」を使用します。ディレクティブ属性はv-プレフィックスで始まります。例えば、v-ifv-forv-bindv-modelv-onなどがあります。
<template>
  <div v-if="isVisible">{{ message }}</div>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      message: 'Hello World!',
      isVisible: true
    }
  }
}
</script>
  1. コンポーネントシステム: Vue.jsは、再利用可能なコンポーネントを構築するための強力なコンポーネントシステムを提供します。コンポーネントは、Vueインスタンスの一種であり、プリコンパイラディレクティブを持つ再利用可能なVueテンプレートです。
<template>
  <div>
    <MyComponent/>
  </div>
</template>

<script>
import MyComponent from './MyComponent.vue'

export default {
  components: {
    MyComponent
  }
}
</script>

これらの基本的な構文とその使用方法を理解することで、Vue3での開発がより簡単になります。次のセクションでは、Vue3でのコンポーネントの作成と使用について説明します。.

Vue3でのコンポーネントの作成と使用

Vue3では、コンポーネントは再利用可能なVueインスタンスであり、それぞれが名前付きのオプションオブジェクトを受け入れます。コンポーネントを作成し使用する基本的な手順は以下の通りです。

  1. コンポーネントの作成: コンポーネントは.vueファイル内に作成します。これは単一ファイルコンポーネントと呼ばれ、<template><script><style>の3つの部分から構成されます。
<!-- MyComponent.vue -->
<template>
  <button @click="handleClick">{{ counter }}</button>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      counter: 0
    }
  },
  methods: {
    handleClick() {
      this.counter += 1;
    }
  }
}
</script>

<style scoped>
button {
  margin: 1em;
  padding: 0.5em 1em;
  font-size: 1em;
}
</style>

このコードは、クリックするとカウンターが増加するボタンのコンポーネントを作成します。

  1. コンポーネントのインポート: 作成したコンポーネントは、他のコンポーネントやVueインスタンスでインポートして使用します。
<template>
  <div>
    <MyComponent/>
  </div>
</template>

<script>
import MyComponent from './MyComponent.vue'

export default {
  components: {
    MyComponent
  }
}
</script>

これで、Vue3でのコンポーネントの作成と使用が完了しました。次のセクションでは、Vue3でのルーティングと状態管理について説明します。.

Vue3でのルーティングと状態管理

Vue3では、ルーティングと状態管理は、それぞれVue RouterとVuexを使用して行います。

ルーティング

Vue Routerは、Vue.jsの公式ルーターで、SPA(Single Page Application)のルーティングを管理します。Vue Routerの設定は以下の通りです。

  1. Vue Routerのインストール: Vue CLIを使用してプロジェクトを作成する際に、Vue Routerを追加することができます。または、npmを使用して手動でインストールすることもできます。
npm install vue-router@next
  1. ルーターの設定: router/index.jsファイルを作成し、ルーターの設定を行います。
import { createRouter, createWebHistory } from 'vue-router'
import Home from '../views/Home.vue'

const routes = [
  {
    path: '/',
    name: 'Home',
    component: Home
  },
  // 他のルート...
]

const router = createRouter({
  history: createWebHistory(process.env.BASE_URL),
  routes
})

export default router
  1. ルータービューの使用: ルータービューは、現在のルートに対応するコンポーネントを描画します。これは、App.vueファイルのテンプレート内で使用します。
<template>
  <router-view/>
</template>

状態管理

Vuexは、Vue.jsの公式状態管理ライブラリで、共有データを管理します。Vuexの設定は以下の通りです。

  1. Vuexのインストール: VuexもVue Routerと同様に、Vue CLIまたはnpmを使用してインストールできます。
npm install vuex@next
  1. ストアの作成: store/index.jsファイルを作成し、ストアを設定します。
import { createStore } from 'vuex'

export default createStore({
  state: {
    count: 0
  },
  mutations: {
    increment (state) {
      state.count++
    }
  }
})
  1. ストアの使用: ストアは、任意のコンポーネントからアクセスできます。
<template>
  <button @click="increment">{{ count }}</button>
</template>

<script>
import { mapState, mapMutations } from 'vuex'

export default {
  computed: mapState(['count']),
  methods: mapMutations(['increment'])
}
</script>

これらの手順により、Vue3でのルーティングと状態管理が行えます。次のセクションでは、Vue3でのテストとデバッグについて説明します。.

Vue3でのテストとデバッグ

Vue3では、テストとデバッグは、それぞれVue Test UtilsとVue Devtoolsを使用して行います。

テスト

Vue Test Utilsは、Vue.jsの公式テストユーティリティライブラリで、Vueコンポーネントの単体テストを簡単に行うことができます。Vue Test Utilsの設定は以下の通りです。

  1. Vue Test Utilsのインストール: Vue Test Utilsはnpmを使用してインストールできます。
npm install @vue/test-utils
  1. テストの作成: tests/unitディレクトリにテストファイルを作成します。テストは通常、対応するコンポーネントと同じ名前を持ちます。
// tests/unit/MyComponent.spec.js
import { shallowMount } from '@vue/test-utils'
import MyComponent from '@/components/MyComponent.vue'

describe('MyComponent.vue', () => {
  it('renders props.msg when passed', () => {
    const msg = 'new message'
    const wrapper = shallowMount(MyComponent, {
      propsData: { msg }
    })
    expect(wrapper.text()).toMatch(msg)
  })
})
  1. テストの実行: 作成したテストは、npmスクリプトを使用して実行できます。
npm run test:unit

デバッグ

Vue Devtoolsは、Vue.jsの公式デバッグツールで、ブラウザの拡張機能として提供されています。Vue Devtoolsを使用すると、Vueコンポーネントの状態をリアルタイムで観察し、変更することができます。

  1. Vue Devtoolsのインストール: Vue Devtoolsは、ChromeやFirefoxの拡張機能として提供されています。公式ウェブサイトからダウンロードしてインストールできます。

  2. Vue Devtoolsの使用: Vue Devtoolsを開くと、現在のページのVueコンポーネントツリーと各コンポーネントの状態を表示します。また、Vuexの状態とミューテーション、Vue Routerのルート、イベント、パフォーマンスなども観察できます。

これらの手順により、Vue3でのテストとデバッグが行えます。次のセクションでは、Vue3でのデプロイと公開について説明します。.

Vue3でのデプロイと公開

Vue3アプリケーションのデプロイと公開は、以下の手順で行います。

  1. ビルド: Vue CLIを使用してアプリケーションをビルドします。これにより、distディレクトリに静的なアセットが生成されます。
npm run build
  1. デプロイ: ビルドしたアセットをウェブサーバーにデプロイします。これには、FTPクライアントを使用するか、クラウドベースのホスティングサービス(例えば、Netlify、Vercel、Firebase Hostingなど)を使用します。

  2. 公開: デプロイしたアプリケーションは、指定したURLからアクセスできます。このURLは、自分で購入したカスタムドメインを使用するか、ホスティングサービスが提供するデフォルトのURLを使用します。

  3. HTTPSの設定: ウェブサイトのセキュリティを確保するために、HTTPSを設定します。これは、SSL証明書を購入してインストールするか、Let’s Encryptのような無料のSSL証明書を使用します。

これらの手順により、Vue3アプリケーションのデプロイと公開が行えます。これで、Vue3での開発から公開までの一連のプロセスが完了しました。次のセクションでは、Vue3での最適化とパフォーマンスチューニングについて説明します。.

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